シームレスな資産追跡のイメージ

資産とプロセスが、屋内・広々とした屋外・屋根のある空間のように、施設内の様々な環境を移動することがあります。環境の変化で課題となるのは、屋内と屋外の両方で適した位置追跡技術がほとんどないことです。

この記事では、屋内と屋外の環境を移動する資産とプロセスの追跡における技術的な側面と、Ubisenseが提供するシームレスな追跡ソリューションについて説明します。

施設全体の位置追跡に関する考慮事項

屋内外でシームレスな資産追跡システムを導入することは技術的に困難です。

通常、環境によってトラッキングのパラメータが変わります。例えば、屋内と屋外のトラッキングには異なる精度や更新頻度の要件があるかもしれません。技術も複雑さを増します。屋外でうまく機能する技術が、屋内ではうまく機能しないこともあります。同様に、屋内の資産追跡に適した技術は、屋外での導入だと費用が高すぎるといったことがあります。

屋内と屋外の環境を移動する資産の追跡に関する考慮事項と、それが資産追跡システムの決定にどのように影響を与えるかを見てみましょう。

精度と精密さ

屋内の追跡は通常、屋外の追跡よりも高い精度と精密さを必要とします。たとえば、組立ライン上の製品を追跡する場合、精度と精密さは非常に重要です。対照的に、倉庫から屋外に資産を移動する場合、精度と精密さの要件は低くなります。

屋内か屋外かは、資産追跡システムの精度と精密さに影響を与える唯一の要因ではありません。一般的な原則として、資産が加工・組立される場合は、より高い精度と精密さが必要です。

例えば、ツール操作を制御するための追跡システムでは、ミリメートル単位の精度が必要です。しかし、同じツールでもそれらの保管場所を特定するためのリアルタイムツール管理システムは、棚レベルまたは部屋レベルの精度で十分です。

信頼性

衝突回避や組立ラインの最適化などの重要なシステムの一部である資産追跡は、非常に高い信頼性を持たなければなりません。対照的に、商用車両の製造過程を追跡するシステムは、6σの信頼性なしでも運用されることがあります。

信頼性は資産追跡の関数ではありませんが、重要なプロセスは通常屋内に位置しています。したがって、屋内の資産追跡システムは、屋外の資産追跡システムよりも低いエラー発生率の要件を持っています。

更新頻度

更新頻度とは、資産追跡タグがその位置情報を送信する頻度です。移動中の資産や高精度の追跡システムでは更新頻度は高くなります。

追跡タグのバッテリー寿命は、更新頻度と直接関連しています。更新頻度の高いアクティブなタグは、位置情報を送信するたびに電力を消費します。バッテリーの交換には時間がかかるため、更新頻度の高いタグには省電力の機能が望まれます。

干渉

ほとんどの商用の資産追跡システムは、追跡対象の位置情報を送受信するために無線波を利用しています。しかし、金属、壁、木々、建物、人、液体などが、追跡タグからの無線波を干渉・遮断します。さらに、携帯電話の基地局など、他の無線波源も資産追跡システムに干渉する可能性があります。

この干渉は、システムの精度と精密さを低下させる可能性があります。干渉・遮断が起きると、資産を追跡できない「死角」が生じることになります。

たとえば、GPSは屋外の資産を追跡するのに優れていますが、屋内ではGPS信号が弱いため、屋内の位置追跡にはあまり向いていません。

耐久性

屋内と屋外を移動する資産追跡タグと受信機は、外部要因に対応できるように耐久性が必要です。さらに、雨や雪、霧の中でも稼働できる必要があります。屋内外を移動するハードウェアには、IP67またはIP69Kで評価された超音波溶接ケースが必要となります。

距離と技術

距離と技術は密接に関連しています。Low Power Wide Area(LPWA)およびGNSS(GPSや5Gなど)は長距離・広範囲です。一方、WiFi、Bluetooth、UWB、およびRFIDは、屋内で最適に適した短距離技術です。

ネットワークインフラストラクチャの密度

ネットワークインフラストラクチャの密度とは、特定の領域内で資産を追跡するために必要なインフラストラクチャ(通常は受信機)の量を指します。ロングレンジの技術は通常、より少ないインフラストラクチャを必要とし、その逆もまた然りです。

一般的に、ロングレンジの追跡技術は、ショートレンジの技術よりも精度が低い傾向があります。たとえば、UWBはcm単位の精度を提供できますが、GPSの精度は約2メートルです。

UbisenseのReal-Time Kinematics(RTK)は、両方の利点を結合しています。RTKは、標準的なGPS信号を補正および改善するための追加の位置データストリームを提供します。これにより射程距離は約1キロメートルに制限されますが、利点としてUWBおよびWiFiよりも低いインフラストラクチャの密度と低コストがあります。

適切なソリューションを選び方

資産追跡システムを選択する際には、上記で議論したすべての要因を注意深く考慮する必要があります。

UbisenseのUWB+BLEタグのようなデュアルモードタグは、屋内と屋外を移動する資産とプロセスの追跡に適しています。デュアルモードタグは、屋内追跡用と屋外追跡用の2つの補完的なトラッキング技術を使用します。

当社の位置追跡技術とソリューションの詳細は下記よりお問い合わせください。